【オーストラリアの現実】在豪19年目から見た、オーストラリアの麻薬事情とその対策とは?

最近のニュースであまり馴染みのないコカイン使用によるタレントさんが逮捕されて、またあれこれとメディアを騒がしているようですが、ここに来て外国人タレントさんや海外在住の方々の様々な意見が飛び交っています。

日本では麻薬というと、大麻、LSD、覚醒剤、エクスタシーなどが主流ですが、たまに今回のようなコカインなども入って来ているようですし、厳しい処罰を課しているのも現実です。

そこで、今回はオーストラリアの麻薬事情についてちょっと書いてみようかと思います。

この記事は、ドラッグ使用を推奨するものでもなければ、擁護するものでもありません。

あくまでもオーストラリアの事実を筆者の見解と見聞を含めた事実を記述しているに過ぎません。

オーストラリアの麻薬の現状は?

当然ながら、オーストラリアの麻薬事情は日本とはまったくもって違った政策を取っています。そして、同じ先進国であってもオーストラリアと欧州の国々でも違った法律的、あるいは文化的な理解の仕方があり当然ながら違います。

2019年現在、オーストラリアでは毎年300万人以上が違法薬物を使用し、約100万人が医薬品を誤用しています。 オーストラリア人の40%以上が一生のうちで14種類以上の違法薬物を使用しており、違法薬物は毎年20代の4分の1以上の人々によって使用されているとされてます。

当然ながら、ほとんどの麻薬に関して違法ですから、所持しているだけでも処罰の対象になり、販売すると所持以上に厳しい処罰対象になります。

ただし、これも麻薬の種類にもよります。

参照:https://www.healthdirect.gov.au/drug-abuse

そして、それぞれの麻薬にはそれぞれに違った特性や毒性があるわけですから、それもまたきちんとした知識を持つように学校でも教育の一環として説明する機会があります。

 

かなり緩い規制のマリファナ(大麻)

オーストラリアは昔からヒッピー文化がよく発達した国だと思うことがありますが、実際、NSW州のバイロンベイなどに行ってみると、まあ、まさにその雰囲気もまだまだ残っている感じがします。

そしてこのヒッピー文化に欠かせないのがマリファナ(大麻)ですが、オーストラアリアでは実はものすご〜く、緩い。

オーストラリア人友達が数年前に検問に引っかかり、警察官に職務質問された時のこと。

こんな感じだったそうです。

 

警官:「お酒飲みましたか?」

友人M : 「僕、お酒は飲まないんだよ」

警官:「じゃあ、何かドラッグとか違法なものは?」

友人M :「ああ、さっきね、友人宅でジョイント(大麻とタバコを合わせたもの)を一服してきたよ、あははははは」

警官:「最近、法律変わって、運転中の大麻の吸引は処罰されるの知ってる?今からテストするけど、いい?」

と、最新式のドラッグ認識マシーンなるものを取り出され、飲酒テストと同じように息を吹きかける検査器を使用。

が、全く検出されず・・・

友人M:「わははは!その検査器、ダメなんじゃない?」

警官:「初めて使ったんだよねぇ。まあ、いいや、出なかったから帰っていいよ。でも、これからは違法だから今回は検出されなかったけど、次回はわからないから吸ったら運転しないように」

 

というようなやり取りがあったそうです。

友人Mは、ウチに来て、

「そうそう、だからジョイント吸ったら車は運転しちゃいけないらしいよ!!知らなかったよ、いつの間にそんな法律ができていたんだ?」

確かにあなたはずっとイタリアに行ってましたからねぇ・・・。よかったよ、いい警察官で。

これでお分かりのように、マリファナを吸ったという私たちの友人Mは無罪放免、検挙もされず帰宅したのです。ここまで、緩いです。そして、AU友人の中にもマリファナが大好きなポットヘッド(大麻をポットと呼ぶ)が何人か居ますが、彼らは普通にちゃんと仕事していますし、その中には医療関係に従事している人もいますが、誰一人として警察にお世話になったという話は聞きません。

そして、家庭栽培もひと家庭に1つとかだったらば、多分そのまま放置かその警察官にもよるそうですが、没収という感じだそうです。そこで罰金や警察署まで来ての事情聴取までいったという話はまだ噂でも聞いたことがありません。

ですが、これが売人になるとちょっと事情が違うようで、当然ながら厳しい処罰があるのでゆるいといっても限度があります。

 

パーティーでお馴染み(?)のコカイン

ここでいうお馴染みというのは、それなりのパーティーということでもありますが、高給取りの家庭でのハウスパーティーでも実はコカインが登場する場合があります。

これは、実はびっくりことかも知れませんが、お金持ちのお家、あるいはそれなりの資格のある家庭であってもたまにこういうことがあります。

今年で19年目のオーストラリア在住の私の経験から言って、コッソリとそのパーティーのホストの寝室のトイレ(寝室付きのバスルーム)がゲストに解放されていて、そこでというのが過去に何回がありました。

そして、そのご家庭だって普通の家庭ですよ、多分、普通よりもずっと収入も職業的なキャリアも上でしょうね、ここでは詳しくは言いませんが。

私は薬関係に関して非常に敏感な体質で、通常の医薬品でもよく調べないと副作用が出るので、特にこういうケミカル系のドラッグに関してはもう「No thank you」と丁寧に辞退しています。

しかし、オーストラリアではとっても高額なドラッグ。多分、ドラッグの中でも一番高額なのではないでしょうか。ですから、多分、これを手に入れられる、常用する人というのはやっぱり高収入の方々。私たちの周りにはコカイン中毒者はいませんね、貧乏人ばっかりだから。そして、あるいはパーティーとか、ちょっと特別な時に大騒ぎするためのちょっとしたオファー的な感じに思いました。

そして、みんなさんのコカイン吸入後なんですが、特に変わった様子もないという・・・・はて?

まあ、ちょっと美味しいワインでご機嫌になるような私には関係ないとはいえ、ちょっと、どんな感じなん?と、聞いてみたい気もしますが。

 

社会問題になりつつある覚せい剤

しかし、オーストラリアは麻薬に関してある程度緩いとはいえ、非常に厳しく規制を始めた種類のものがあります。それが、Meth、アイス、クリスタル、などと呼ばれる日本でいう覚せい剤です。

このクリスタル・メスは、多分、2000年以降になってオーストラリアで使用されるようになってきたのではないかと思います。ですから、うちのOZ旦那の世代にはなかったドラッグで、正直、彼らの周りの人間は「なんだ?それ?」というような新しい感覚であったと思います。

それまでは、上記に挙げたようなオーソドックスなドラッグが中心で、一番最悪だったのがヘロインであったのが、多分、それを上回る酷いドラッグとしてこの覚醒剤がオーストラリアにはびこりつつあるということらしいです。

ちょっと調べてみると、なんか一般の家庭で作れるようなものが流通している、つまり、日本のそれよりもずっと質が悪いものがとっても安く出回っているようです。

なので元々は違う種類の麻薬常習者(主にヘロイン中毒者)が値段の安い、こちらの覚せい剤に鞍替えするという状況になっているとか。

こちらの記事は、オーストラリアの元覚せい剤中毒者が11歳の子供達に覚せい剤の恐ろしさを伝えるというもの。

そして現在では、所持しているだけでも逮捕され罰金刑があるほど規制を厳しくしていますし、実際にもうすでに社会問題としても何年も前から注目されています。

娯楽用の大麻と医療用の大麻は全く違う

さて、ちょっと誤解があるんですが、たまに娯楽用の大麻と医療用の大麻を一緒にしている方がいます。

確かに、娯楽用の大麻をそのまま医療用、あるいはガン患者の食欲増進や痛み止め、吐き気防止などに使っている人もいますが、通常の医療用大麻というのは成分を抽出してあり、酩酊感や高揚感などはないそうです。

しかしながら、オーストラリアでは普通にこの医療用はまだ手に入りませんが、ちょっとした所で手に入るところもあるとか・・・これは、末期癌の奥様を救いたいという旦那さんとスーパーで会話していたところ、教えていただきました。

こちらの映像は、パーキンソン病の男性が医療用大麻で症状が安定する様子をビデオに収めたものです。

同じようにてんかんのある子供にも使用している国もありますが、残念ながらオーストラリアではまだ使用許可は出ていません。

友人夫婦にも極度なてんかんを持っているお子さんがいて、今は強い薬で抑えているようですが、やはり薬は副作用で肝臓や腎臓などが影響を受ける場合もあるので、彼らはこの医療用大麻を合法で処方している国に移住しようかと考えているそうです。

学校での教育、ケアーやヘルプラインによる理解と援助

日本にも覚せい剤中毒者に対するケアーを行なっている団体が数多くあると思いますが、当然ながらオーストラリアにもたくさんあります。また、病院や一般の開業医のところでも相談に乗ってもらえるようになっていますから、中毒かもしれない、もうこれでおしまいだ・・・というような絶望感は少ないはずです。

ネットにも細かくドラッグのことについての説明やヘルプラインを含めた情報も政府関連のものから市民団体に至るまでたくさんの情報を得ることができるでしょう。

以上がありますが、もっと探すと色々と出ててきますが、かなりの数のヘルプが得られます。

また、学校でも早い時期からきちんとした知識を与えるという方向で若い人たちにも理解を深めるようなドラッグ教育があります。

日本のように全て麻薬というカテゴリーにせず、コカイン、大麻、ヘロイン、エクスタシーなど、それぞれのドラッグの特徴と中毒性をきちんと説明し、どんな効果があり、どんな副作用と中毒性があるのかをきちんとプロを交えて教えています。そして、もしも中毒になったらどうするかなど、ヘルプに対してもきちんとした知識を提供する、そうする事でドラッグに対する中毒から子供達を守れると考えています。

ですから、もしかしたら、私よりも長男(今年18歳で成人)の方が詳しいかもしれないと思いますね。

 

まとめ

簡単ではありますが、これがオーストラリアでの麻薬に対する現状であると思います。

ただ、それでも麻薬中毒者はいますし、麻薬だって手を出そうと思えばすぐに手に入るような場所にあります。例えば、パブやナイトクラブなどに行けば、売人がそっとよってきて仲良くなり、相手が警察関係者じゃないと分かれば色々と売りつけてくることもあります。

そして、まだまだオーストラリアでは保守的な部分もあり、アメリカや欧州などでは解禁している大麻でさえもかなり緩いながらも違法です。

反対に海外では、大麻が医療用、娯楽としても解禁になりつつありますし、規制処罰をすることよりも緩和し、合法化することによって麻薬犯罪を少なくし、麻薬に対する理解と研究、そして中毒者に対しても理解とヘルプを供給することで実際に麻薬中毒者を少なくしたと言う国もあります。

その国によって、ドラッグに関しての法律は様々です。そして、その対応も様々です。

私はもうすでに日本には住んでいませんし、ドラッグをするような年齢でもないのですが、長男がそういうことに興味を持つような年代のため、どうしてもきちんとした知識が必要になっているのも事実です。ですから、学校でも親御さんに配られるドラックについてのプリント、あるいはその講習会などにも出かけて行き、家族みんなでその話をすることもありますし、そういうオープンな関係こそが麻薬中毒を防げる一番の方法ではないかと思っています。