【バセドウ病の治療方法】(4)オーストラリアで甲状腺全摘出手術をした!

 

ええ・・・バセドウ病が一向に良くならず、抗体も全く消えず・・・バセドウ病眼症も出てきた・・・ということで、2年にわたる薬剤治療に終わりを告げることになりました。

オーストラリアでは、endocrinologistといい、日本語では内分泌科医というのが甲状腺関係の医者になります。こちらの先生は女医さんで、もう・・・・怖いのよ・・・。とっても、はっきりと言うし、とにかく有無を言わせないと言うか・・・。でもまあね、血液検査が全てを語ると言うこの甲状腺の病気ですから、確かにデーター以外頼るものはないわけだし。

このK先生は、名医といわれるほどの方。その先生曰く、放射線治療もいいけれども、バセドウ病眼症がある場合はこのバセドウ病眼症の症状が悪化する場合があるそうです。ただ、このバセドウ病は甲状腺の病気だけれども、甲状腺を取ったからといって、バセドウ病眼症が悪化しないとは言えない・・・つまり、直接的には関係ない・・・と言う情けない事実。そして、その理由が未だに解明されていないと言う、医学的にもまだまだ研究途中という病気。

まあ、ここで、バセドウ病の治療方法をちょっと見てみましょうか・・・・。

前回までのお話は・・・こちら:

 

バセドウ病の3つの治療方法

1)薬物治療

バセドウ病を薬で治そうとすれば通常は3〜5年の間は、薬を続けることになり、アレルギーなどがない限りは、初めはこの薬物治療から始まります。だいたい、1〜3月毎に血液検査を受け、通院します。

この薬によって、TSH受容体抗体の数値で、治療中の所見から薬の治療で治るかどうかある程度予測することができます。このTSH受容体抗体が薬によって下がっていけば、他の治療法ではなく、この薬によって治る可能性も高くなりますが、甲状腺が大きい場合やTSH受容体抗体の値が高い場合などは薬物治療では完治する可能性が低いという研究結果が出ているようです。

2)放射線治療(アイソトープ)

放射性ヨード(アイソトープ)のカプセルを内服する方法で、内服した薬は胃腸で吸収されて甲状腺に集まり、そこで甲状腺の中から放射線を出して甲状腺の細胞を破壊する方法です。この方法は、全身麻酔や手術のような負担がないことです。また、必要であれば繰り返して行うことも可能なので、入院しなくても外来でできる場合もあります。

ただ、この放射線治療は効果が出るまでに数ヶ月かかる場合があります。また、治療後には甲状腺機能低下症に移行することも多く、この治療によって、低下症になれば甲状腺ホルモン剤を終生続けることになります。

この治療方法は、放射線を使うので妊娠中授乳中はこの治療を受けることはできません。また、この治療を受けた後、1年間は妊娠できません。ただし1年を過ぎてからの妊娠なら赤ちゃんへの影響はありません。また、放射性ヨード治療のによって、バセドウ病眼症が悪化することがあるので、眼症状がある場合もこの治療は受けられません。

3)甲状腺摘出手術

全身麻酔下によって、甲状腺を摘出する手術です。以前は、オーストラリアでも甲状腺の一部を残して摘出していたようですが、甲状腺機能低下や、バセドウ病の再発などのリスクも高く、現在では全摘出になったそうです。

また、バセドウ病眼症がある場合は、こちらの甲状腺摘出手術を勧められます。この甲状腺摘出手術によって起こるリスクは、副甲状腺をも傷つける、または一緒に摘出してしまうというリスクがあります。この副甲状腺は、カルシウムの生成にも関与している小さい臓器なので、この場合は甲状腺ホルモン剤と共にカルシウムの服用も義務付けられます。この手術の良い点は早く高い確率でバセドウ病を治せることです。

当然のことながら、この手術の後は、甲状腺ホルモン剤を服用します。この薬には副作用はまずありませんし、一旦、甲状腺の通常範囲に決まれば、薬の量は何年も変わることはありませんので、血液検査は年に1〜2回になります。

参照:Dr. Keen handbook and 野口病院

 

 

バセドウ病眼症と甲状腺全摘出

バセドウ病、本当に厄介な病気ですけど、結構多いんですよねぇ。実は、私のアトリエの隣のお姉さん、彼女も同じ病気で5年前に甲状腺を摘出したそうです・・・・けれでも、彼女、傷の治りが遅いというか、ケロイドになる肌質だったみたいで、結構、大きな傷があった・・・。5年も前で、あの傷ですか・・・?ちょっと、いや〜な予感が・・・。

しかし、私の場合、軽くはあるものの、バセドウ病眼症があるので放射性ヨードの服用はこの症状が悪化する恐れがあるということでダメ、で、あと一つは甲状腺全摘出ですわ・・・。

上記にも述べましたが、以前はオーストラリアでも一部を残して甲状腺を摘出する方法があったそうですが、再発が多く、バセドウ病眼症がある人にはお勧めできないとのこと。

首と頭の外科医との提携

こちらでは、部位によって専門医が決まっています。ですから、甲状腺摘出手術をしてくれるのは「首と頭の外科医」になります。そして、かかりつけの内分泌科医から外科の先生にバトンタッチされるというわけです。今回、私の首を切ってくれたのが、RPA:Royal Prince Alfred Hospitalの「首と頭の外科」の外科部長になるの???まあ、日本でいうとそうなるのかな。という人でした。お医者の友達に聞いたら、めちゃくちゃ腕は良いとのこと、信頼していいよと太鼓判を押されました。

では、ここで手術までの過程とその後の経過を・・・・

 

手術までの過程

1)外科医による手術の説明

こちらは、まあ、当然ながらどんな風にやって、どんなリスクがあって、どのくらいのリカバリー期間があって、その間のケアーやら、薬のことなど、一通りの説明を受けます。

 

2)手術日の決定

オーストラリアでは、公立のメディケア(無料で受けれる医療機関)と有料のプライベイト医療機関、の二つの医療機関があります。そして、当然のことながらこちらの公立のメディケアは混んでいて、手術が何ヶ月も先になるなんてことも結構あります。ですから、プライベート保険に入っているんであればある程度、費用がカバーされますし、手術も予定日を早く決めることができます。

この外科の先生も、公立の医療機関とプライベートの医療機関の両方やっていて、プライベート保険を保持しているということでプライベートの医療機関で手術をすることにしました。

このオーストラリアの医療機関については、こちらで詳しく述べています:

 

3)入院

さて入院です。オーストラリアでは医療費を削減することがまず第一の目的でしょうか、不必要な長い入院はしません。また、自宅での療養のほうが病気回復が早いと言う調査結果に基づいて、早い退院を促します。実は私もこの甲状腺全摘出手術では、たった一日の入院でした。

 

4)手術当日

朝9時に入院手続きを済ませ、看護師さんに案内されるまま手術前の準備室に入りました。そこで、手術服に着替えます。ここでは、パンツ一枚だけで、全て脱ぎます。そして、ビニール袋に自分のカバンや全てを入れて、名札をつけてもらいます。全て着替え終わったら、ベッドに横になって自分の順番が来るまで待つのです。

 

5)麻酔医からの説明

順番になると今度は麻酔をする部屋に移されます。こちらでは、麻酔医からの説明を受けます。また現在の服用している薬などを確認します。実はこの日、私はちょっと風邪を引いていたんです。ほんの少しだったので、黙っていたら、本当は風邪の時は咳をしたりして術後の傷に触るからと、できれば延期にするべきだったらしい・・・・でも、咳もなかったしということで、突破。

まあ、全身麻酔をすると全身の筋肉も弛緩するので、手術中には咳は出ないそうですが。だってねぇ、もう全て準備していたし、着替えちゃったし・・・。ちょっと、いやな顔されたっぽかったけど・・・。

 

6)術後

全身麻酔ですから、当然のことながら覚えていません。眼が覚めたら、自分の病室でした。心配そうに見つめる旦那でしたが、まあね、首切ってるし。ただこのプライベートの病院・・・・個室は当然としても、ルームサービスがついてた。ベッドの横にメニューが置いてあって・・・・。絶対に、公立の無料の病院では考えられないようなサービスですよ!びっくり!この差は・・・ひどいわ。

金がある奴が得をするのね・・・やっぱり。

とりあえず、声も出ましたし、痛みは・・・・そうですねぇ・・・まだ、麻酔が効いている状態だったので、ふわふわしている感じだったかな、初めは。そして、看護師さんがモルヒネを持ってきてくれて、またもや、ふわふわで、ルームサービスで取ったチキンスープをちょっと飲んでから寝ちゃいました・・・。

 

7)患部はとにかく冷やす!

手術は大成功でした!副甲状腺もきちんと残すことができたので、カルシウムを服用する必要もないし、声帯も無事、血液も全く出なかったとのこと。丁寧に、外科部長が来てくださって、説明してくれました。そのあと、麻酔医先生が来て、術後の痛み止めの説明で、二つの違う種類の痛み止めを時間差で飲むこと。そうすることで、薬が切れる合間をなくせるので、痛いと感じることがないようにするようとこのペインコントロールの方法を指導して去って行きました。その時・・・

「いや〜、君のドクターのあの鮮やかな手術・・・・完璧だったよ!素晴らしい医者だ!」と、感嘆のコメントを残して行きました。

しかし、その夜・・・腫れました・・・。まあ、当然ながら、腫れたんですけどね。看護師さんは氷を入れた袋を夜通し持って来てくれて、一晩中、冷やしていました・・・これが一番辛かったかな。

 

8)退院

この日の朝は、あまり食べれなかったんですけど、ルームサービスのメニュー、ベーコン・エッグを横目に見ながら、食べやすそうな、ポリッジを頼みました。それと、ヨーグルトに紅茶・・・紅茶は冷まして、超ぬるい・・・。そして10時頃、旦那が迎えに来てくれました。

これが、2017年5月19日、退院する直前に撮った写真でございます。

どうです?綺麗でしょう??血さえ付いてない!

あの、麻酔の先生が言うだけのことはあるって言うくらい、綺麗だったんです。

 

9)ペイン・コントロール

帰宅した後は、麻酔医の支持通りにペイン・コントロールをします。あまりよくは覚えていないんですよねぇ・・・どうやって、コントロールしてたか。実は、うちの旦那がやっていたので、私は薬を与えられて飲んでいただけだったんです。確か、パナドール(パラセタモール系の鎮痛剤)とオキシコドン(モルヒネ系)だったかな・・・。このオキシコドンは約4時間〜6時間ほど痛みを抑えるのですが、個人差があるのでこの2時間の差をパラセタモール系で補うというもの。でも、うまくできていて、あまり痛いと言うのがなかったですねぇ・・・それに、三日目からは結構、何でも食べれるようになってました。

このオキシコドンは、基本的にはアヘンと同じ成分です。ええ、ですからとっても中毒性が高いんです。痛みを抑えるのにはとっても良いのですが、末期患者などの場合など、完治して普通の社会生活が望めない人や、手術をしてある程度の期間を飲むだけという時のみに使われる痛み止めです。ですから、ウチの旦那さんは、この薬に対してとっても神経質でできるだけ早くに普通の痛み止めと切り替えようとしていました・・・。確かにね、よく眠れるんですよ、ふわふわとしてて・・・。

 

10)途中経過の診察

術後3日後に、外科部長のところに診察に行きました・・・。途中経過ということで、朝の8時半の予約です。術後も良好ということで、先生も旦那もご満悦・・・。ワタシは、痛み止めの副作用というか、オキシコドンのお陰でぼーっとしていて、ほとんどうつらうつらと寝ているだけだったので、なんだかよく覚えていない・・・というのが、正直なところでした。

 

11)抜糸

一週間で抜糸になりました。この時、外科の先生の診療室に行って、もう・・・ドキドキ。痛いの嫌だなぁ・・・とか。でも、まだペインコントロールの薬を使っているし、そんなに痛くないはず・・・なんて思いながら。で、本当に痛くなかった。まったくもって、なにも感じなかった。

先生も説明してくれて・・・この上の写真ありますよね、この黒い糸の端っこをプチンと切って、す〜って抜いただけ・・・・。この先生、すごいわ・・・。流石に大病院の外科部長だけあるわ・・・。

 

12)甲状腺ホルモン剤の投与

既にもう、甲状腺を取った日から投与は始まっていて、甲状腺が落ち着くまで、月に1回必ず内分泌の先生にかかることになっていました。初めは、100mgの甲状腺ホルモン剤を投与、体が慣れないかもしれないけれども、だんだんと良くなるとのことでした。特に、大した症状もなくて、こんなもん??って感じで、今は75mgに落ち着いています。

 

13) 術後8ヶ月

今現在は、バセドウ病も収まり、バセドウ眼症も治っている状態です。ただ、眼医者には半年おきに通うようにと言われています。甲状腺を取ったからといって、このバセドウ眼症も治るとは限らないからです。もうねぇ・・・・・本当、ウザいわぁ・・・。でも、ウコン茶でなんとか腫れも、目の奥の重たさや痛みも治っているので、このまま出目金にならないといいんだけど・・・・。

で、今の傷跡です・・・長男に撮ってもらいました・・・・。

すごい、きれいでしょう?たったの8ヶ月でこんなに・・・・。今では言わないとわからないくらいになってます。いや〜、すごいわぁ・・・ネットで見た時は、何年も消えないと思っていたのに。さすがですわ・・・外科部長!

 

まとめ

一生この甲状腺ホルモン剤を飲み続けます・・・・。毎朝、起き抜けに、朝食前の20分前に。それが甲状腺を取ってしまった者の宿命です。でもね、他の病気で一生薬を飲む人もいますしね。ちょっと、めんどくさいなぁ・・・なんて思ったりもしますけど。

それから、あまり知られていないと思いますが、この甲状腺ホルモン剤ね、とっても小さい錠剤なんですが、とっても大事なんですよ。甲状腺ホルモンは体にとってなくてはならないもので、もしも、このホルモン剤を飲まなかったら、約二週間で体内の代謝が壊れて死に至るそうです・・・・。

アトリエの隣のお姉ちゃんが教えてくれた・・・・間違いなく、旦那はこれを聞いてビビっています・・・。ですから、毎朝聞かれます・・・8ヶ月、毎朝ですよ・・・

P.J
ハニー、薬は飲んだ?!Have you had your tablet?!
Sakura
ダーリン、飲んだよ!!Yes, darling, I have!!