【多重国籍】大坂なおみちゃんの『肌の色』で沸き起こる現代日本の困惑

 

もう、毎日のようにYahooニュースでは大坂なおみちゃんのセリーナをぶった切った事での記事がたくさん上がっていますが、この中に同じようにインタビューをした記者の常識のなさ、または日本のTVでのインタビューの質の低さが話題にもなっていますよね。

で、今回は同じハーフの息子二人を持ち、彼らもまた同じ日本国籍とオーストラリア国籍を持っているので、その辺の事について書いてみたいと思います。

 

日本と世界のアイデンティティの温度差

私が日本での彼女のインタビューを見てびっくりしたのは、このくだり。

「海外で、大坂さんの活躍や存在が古い日本人像を見直したり考え直すきっかけになっていると報道されていますが、ご自身はアイデンティティを含めて、その辺をどのように受け止めていますか?」

まあ、この感じの質問をする前にこの記者は色々と彼女に、どう質問しようかとまよったんでしょうが、

要するに、

「古い日本人は、黒人とのハーフということで日本人と認めないという人もいますが、あなたはこの人種差別をどう思いますか?」っていうことを聞いているわけです。

それに関して、なおみちゃんは、

「え?私が古い日本人像っていうこと?」

「テニスのこと?」

と聞き返しているんですね。

彼女はテニスで優勝したことでの記者会見をしているわけで、あの場で、それも世界的に見てバカバカしい質問をされるとは思ってなかったと思うし、通訳の人もどうやって説明していいのかわからないような感じでした。通訳の人の声も聞こえていたんだけど、正直、どう英語に通訳していいのかわからない感じで、何度か言い直していたりしてましたし。私としては、どうやって通訳するんだろう・・・と聞き耳立てて、あの通訳の人、かわいそうだった・・・。それに、内心では・・・

「うわ〜、なんてこと聞きやがるんだ、こいつは!」

と絶対に思っていたはず。

それに加えて、そのあとの

「テニスというよりも、古い日本人像、日本人の間に生まれた人が日本人という古い価値観があると思いますが、大坂選手の活躍によって、バックグラウンドが報道される中で、そのような価値観を変えよう、変わろうという動きも出ていると思うますが・・・」

「それ、質問なの?」と・・・

こんな事は、お茶の間でやってくれ!という会話です。なおみちゃんにとっては、彼女の国籍がどうこう、見た目がどうこう、日本語が喋れないどうこう、そういうことよりも、彼女がテニスで頑張って、あのセリーナをぶっちぎったと言うことが大切な訳で、日本人のつまらない島国、鎖国根性を丸出しにされる覚えは全くない訳です。

 

 

日本人と欧米人の国籍に対する認識の違い

ここで日本の方がキチンと認識しなくちゃいけないのは、こんな風にどこの国の人間で、どこの人種が混じっているとか、そう言うことを気にするのは私が経験から察する国は、日本、韓国、中国、タイ、ベトナムなど、アジア系の諸国に多いように思います。

10数年前に、主人の教え子が結婚すると言うので保証人になってほしいと言うことで、中国人の留学中のカップルの結婚式に呼ばれたんですが、披露宴の時、新郎新婦の友人(20代前半)の中国人留学生の女の子に面と向かって、

「どうして、白人と結婚しようと思ったんですか?私は絶対、中国人以外の人は嫌です」

って言われたんですね。まあ、30代、40代の方々が言うならば仕方ないとは思ったものの、この若い世代がこんなことを言うとは思わなかったので、結構、びっくりしました。

「私は、日本人でも、オーストラリア人でも、中国人でもインド人でも、自分が選んだ人と結婚する、それだけよ」

と答えたら、中国語で隣の子とヒソヒソやってた。

だから、国によって、国籍や人種にこだわりがあるのは知っていますし、そう言う人達は、私とは全くもって関係のない世界で生きているので、価値観の違いであると思っています。そして、それを否定するようなものの見方は相手にとっても失礼だと思うんです。けれども、こういったどうしようもない質問をする人はそれが失礼な質問だとはこれっぽっちも思っちゃいないんです。そしてこれは往々にして、単一民族主義の国に多いんです。

 

欧米の基本は多重国籍

それから、ほとんどの欧米諸国は多重国籍を認めていて、オーストラリアも当然ながら多重国籍を認めています。なので、うちの息子たちも日本国籍を取得していますが、パスポートはオーストラリアの物しかありません。これは、日本のパスポートが必要ないからという理由で、当然、お金がもったいないし、(日本のパスポート、高いんですよ、オーストラリアでは)、日本人は日本のパスポートを絶対に持つべきだと言う変な理屈が理解できないからと言う理由です。

だって、国の間を行き来するだけですから、1つのパスポートがあれば十分だと思いますから。そして、当然、日本に行く時もオーストラリアのパスポートで入国しています、それもまた2つも必要ないという理由だけです。確かに、パスポートは自分がどの国民、国籍であるかを証明するものですが、パスポートというものの便宜上、1つでいいと思っています。

将来的に、最終判断として彼らがどちらの国籍を持とうか選択すればいいわけです、それは彼らに任せるつもりでいます。私はハーフというカテゴリーで括られ、個人としての彼らを否定されるような日本での偏見に毒されたくないので、オーストラリアでの生活方式を優先して育てています。

そして、オーストラリアでは市民権を取った時点で、オーストラリア人であり、どこで生まれてどこの国から来たのか、親がどこの人でなんてことは個人的なことで、日本で言うと、「ウチの親はもともと関西の人」と言う感じくらいでしかないんですね。それに同じ移民大国であるアメリカだって同じ事なんです。そう言う意味では、

なおみちゃんはアメリカ人でもあり、日本人でもある、でもその前に「なおみちゃんは、なおみちゃん」なんです。

そして、特にオーストラリアでは自分のオリジナル文化をきちんと継承して行く権利があり、その結果、こんな感じになっています。

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白人とのハーフはいいけど、黒人とのハーフはダメ

私は以前、アフリカ系アメリカ人の彼氏がいて、約3年ほど付き合っていました。多分、初めて結婚を考えた人だと言えると思います。それまでは、彼らの “Hey Baby!”という軽々しいナンパの仕方がウザいし、失礼だと思っていたので、ほとんど無視していたんですね。けれど、その彼との出会いはとっても普通だったんです。横浜のグラム・スラムというクラブで彼の足を踏んだことが出会いのキッカケで、その彼の対応もとっても紳士的で、ちょっとした世間話から始まったんです。

それから普通に交際が進み、2年ほどした時にプロポーズ。その後、彼の家に半同棲生活をすることになります。親にも、黙っていることはできず、正直に話しましたが、猛反対でした。私のソシオパスの母親は、毎朝5時に泣き喚き散らす電話をかけて来たり、自殺をほのめかしたり、そんな人種差別の真っ只中に放り出された私たちは次第に疲れて来て、ほかの日本人たちの好奇の目にも嫌気がさしたりして、米軍基地以外のところは外出しなくなってしまいました。そして、最終的に私たちの間には人種差別だけじゃなく、それに対する考え方の違い(私は戦う派、彼は諦める派)など、様々なことで気持ちが離れて行き、私はストレス性の大腸炎を起こして、入院し、私から別れを切り出した感じなりました。

ですから、白人に対するそれと、黒人に対するそれはあからさまに違うんです。これはまあ、日本に限ったことではなく、本国アメリカでもいまだに見えない所での差別はあると思います。

うちのソシオパスの母親は、

「白人ならいいけど、黒人は絶対にやめて!」

この恥ずかしい、ソシオパスの人種差別母親はこんなことを平気で言いますから。

こういうような事は本当に実在する偏見と差別で、実際、テレビで活躍しているのは殆どが白人とのハーフの子ばかり。そして、今回のなおみちゃんの件では、このことで絶対「え?黒人とのハーフなの?」と思っている人も少なからずいると思うんです。だから、もしもなおみちゃんが白人とのハーフだったら、こんな風にしつこ〜く、『日本人以上に日本人らしい』とか、とってつけたような不必要な形容詞はつかないと思うんです。

 

まとめ

ここで私が言いたいのは、そろそろ日本に住んでいる方達も、世界的な見方を学んだ方がいいと思います。法的にも彼女は日本の国籍とアメリカの国籍を有しているのは日本では珍しいかもしれないけど、世界的に見て、別に珍しくもないという事。そして、肌の色や、人種のことで比べたりそれをどうこう言うのは時代錯誤、鎖国やってるわけじゃないんだから。

そして、これからどんどんと日本は移民が増えていく事になるので、そう言った意味でも日本国は将来的に多重国籍を認めざるを得ない状況になるだろうと私は思います。が、それが実現するかどうかは、50年先くらいにならないとわからないなぁ・・・と、今の現状を見て思います。

「人種差別はどこの国でもあるんだから」と、確かに事実ですが、このどこの国でもあるんだから仕方がないというような変な開き直りはやめていただきたいんですね。よく、友人とも差別に関して論議をするんですが、この一言で片付けちゃう人って、本当に多いんです、オーストラリア人でもいます。しかし、この一言で片付けられた方はどうでしょう?じゃあ、貴方はそれに対して仕方いないから我慢しろというんですか?って私は反対に質問するんですけどね・・・・。

しかし、なおみちゃんが、あのセリーナを実力で破った事に関して、授賞式で

「あのような試合展開になって申し訳ないです」

「試合をしてくれてありがとう」

などと言ったり、とセリーナ・ウィリアムズに対しての礼儀、それから先輩に対しての敬いなどを見て、

「うわ〜、この子のご両親はきちんとわきまえ、礼儀を教えている、素敵な人なんだ」

と思いましたし、それをきちんと受け止めている素直な彼女にとっても好感を持ちました。多分、あの素直さだからこそ、ここまでやって来れたのかも知れないですね。

最後に、

なおみちゃんは、「私は私」と言っている事。これは、日本人ではあまり出てこない言葉かもしれませんが、その通りなんです。わたしは、日本人の好奇の目、それから偏見や差別から来る必要以上のベタベタさ、こう言ったもので傷ついて欲しくないと思ったけど、まあ、あのお母さんとお父さん、そして彼女を支える人たちがいるから、きっと、大丈夫だな・・・と思い直しました。

だって、そうじゃなきゃ、あの怖〜い、セリーナをぶった切れないよね。

Well done, girl! I am so proud of you!