【持病と共に生きる】産後うつ病(1)|産後うつ病とは?

 

さて、今回は『産後うつ病』のお話をさせていただきたいと思います。

昔は、『産後うつ病」のことを『育児ノイローゼ』とか『産褥(さんじゅく)神経症』とか言われていましたが、最近の日本ではこの『産後うつ病』で落ち着きつつあるようですね。実は、これ、私もやったんです。長男が1歳の頃でした・・・・。

では、まず産後うつ病とはどういうもので、どういう人がかかるのかをみてみたいと思います。

産後うつ病とは?

『産後うつ病』は、英語で”Postnatal Depression“と言います。赤ちゃんの誕生後1ヶ月から1年まで発病するうつ病の名前です。毎年オーストラリアで出産する女性7人に1人の女性が発病すると言われています。

ほとんどの人たちは、産後、赤ちゃんがもたらす生活の新しい生活習慣に順応しようします、それは、一時的なもので、特にストレスを感じるというものでもありません。そして、 多くの母親が赤ちゃんを産んだ後の最初の数日は、で「ベイビー・ブルー」を体験します。

この「ベイビー・ブルー」は通常2〜3日しか持続せず、この間には、知らずに涙がでたり、いきなり不安になってみたり、などの急な気分の変化を感じるかもしれません。これは、出産した後のホルモンがアンバランスになっているために起こる、自然なことで、ご主人や、家族、友人のサポートなどがあれば、通常の場合、特に心配することはありません。しかし、これらの気分がこの初期の日を超えてもさらに悪化し続けると、うつ病が発症する可能性があります。

産後うつ病の兆候

『産後うつ病』の可能性である兆候はたくさんありますが、より一般的なもののいくつかは次のとおりです:

  • 非常に暗く、落ち込んだ気分
  • 母親としての失敗感
  • 未来について希望が持てない
  • 非常に疲れていて、いつも悲しい、涙が出る
  • 被害妄想、不安やパニック感を感じる
  • 睡眠障害、(よく眠れない、いくら寝ても足りない、または悪夢を見る)
  • 食欲がない
  • 体重が極端に減少する
  • 赤ちゃんについて過度に心配している
  • 単独で外出できない、外出が怖い

場合によっては、家出をしようと考えたり、旦那さんが浮気をしている、離婚を考えているかもしれないなどと考えたりすることもあります。また、自傷やパートナーや赤ちゃんに危害を及ぼすような場合もあります。このような状況は非常に危険なので、すぐに専門家の助けを求めるべきです。そして、『産後うつ病』と同時に『パニック障害』を経験することも一般的です。

では、どんな人が産後うつ病になりやすいのでしょうか?

参照:Pregnacy Birth & Baby

 

 

『産後うつ病』になりやすいタイプ

まず、この『産後うつ病』は誰でも発症する可能性のある精神疾患と言えますが、それでもなりやすいタイプとそうでないタイプが当然ながらあります。

1) 妊娠前のうつ病の既往歴、または妊娠中のうつ病

妊娠前に、すでにうつ病やパニック障害などの精神的疾患があった人は、体はすでにうつ病やパニック障害などの症状記憶しているので、再発性するような形で発症するリスクが高くなります。

2) 出産時の年齢が若ければ若いほど、リスクが高い

妊娠、出産、育児というのは人生経験が主に影響してきます。ですから人生経験が少ない、若い母親に多く発症してきます。人生経験が浅さから来る、環境の変化に順応する能力の問題だと思います。

3) すでに小さい子供がいる

すでに小さい子供がいる場合、小さいコドモのこと手がかかりますから、それに加えて新生児の世話などのプレッシャーにより、症状を引き起こす可能性が高くなります。

4) 月経前不快気分障害の病歴を持つ

月経前不快感 : “premenstrual dysphoric disorder (PMDD)”といい、イライラや不安感、パニック障害など生理前に起こる症状で、軽いものを”Premenstrual syndrome (PMS)”を呼びます。出産後に症状が重くなる人がいますし、反対に軽くなるひともいるそうです。

5) サポートが少ない状況

産後は特に体力の消耗も激しく、精神的にもホルモンのバランスが崩れていますから、不安定になりがちです。そこで、周りからのサポートが必要なのですが、両親と離れている、パートナーが忙しい、シングルマザーであったりするなどサポートが少ない状況に発症しやすくなります。

6) 夫婦関係の不和

当然のことながら、夫婦関係も大きく影響してきます。出産後は父親母親も含めての生活環境が大きく変わってきます。ですから、夫婦関係の不和が原因でこの症状を発症する場合もあります。

7) 難産や緊急帝王切開

最近の研究では、難産や緊急帝王切開で出産した女性に多く発症することがわかっています。オーストラリアでは、無痛分娩が主流になっているので、出産時の体力の温存が可能になっていますが、それでも長引く出産には大きなストレスがかかるとみられています。このストレスが産後うつ病を引き起こす一因と考えられています。

8) 幼児期のトラウマ

母親の幼児期に関するトラウマは、この産後うつ病と大きな関係があるとされています。女性は母親になった時点で幼児期を追体験する人もいるといわれています。ですから、幼児体験でトラウマがある人の場合、そのトラウマが引き金になって症状を引き起こす可能性があるとされています。

9) 高学歴で完璧主義者

完璧主義者は、その名の通り完璧にも物事をこなそうとします。しかし、当然のことながら新生児は言葉もしゃべれなければ、意思の疎通もできず、ただ泣くだけです。思い通りに行くものではありません。ですから完璧に思ったとおりに行くことはまずありません。そんなジレンマから症状を引き起こす可能性もあるといわれています。

 

参照:WebMD: Postnatal Depression

まとめ

『産後うつ病』は、誰にでも発症する可能性のある精神疾患だと言われています。しかし、当然ながら発症する人と発症しない人がいます。私は、長男がちょうど1歳の誕生日を迎えた時に発症しました。これにはいろいろな条件が重なっていたので、精神科医からは「産後うつ病になってもおかしくない状況だよね」と言われました。

ラッキーなことに、オーストラリアを含め欧米は精神医学に関して、日本よりも進んでいます。避妊用ピル解禁の例を見るべきもないと思いますが、日本は女性関係に対しての医学が遅れているように思います。これは、男尊女卑の歴史を持つ多くの国がそうであるように日本も決して例外ではないと思います。

「そんなことはない」という方もいらっしゃると思いますが、私の叔母もうつ病で長年苦しみ、最後には自ら命を絶った家族背景や、私自身が日本で心療内科にもかかったこともあるので、日本とオーストラリアの精神医療のケアは雲泥の差があるとおもっています。最近の日本では、心療内科やカウンセリングといった分野も開けてきているようなので、喜ばしいことだと思いますけど・・・。

では、次回・・・どうやって「産後うつ病』を克服したのかを書きたいと思います。