吉野山というのは、本当に魅力がいっぱいのところなんですが、実は私の大好きな『お宿』があるのです。
基本的に私は昔からベッド派でして、小さい頃からベッドで寝てました。ですから、実は布団よりもベッドの方が好きなのです。まあ、私をよく知る人間からすると
「お前がズボラだからじゃろ?」
という、布団の上げ下げについて突いてくる友人もいるでしょう。
ええ、正解です。
ですが、誰かにやってもらうとなればこれは話は別なのです。
というわけで、今回は日本で一番好きな、素敵な旅館、
『吉野荘 湯川屋』さんをご紹介します。
『あたたかみ』を感じることができる旅館
私はいつも日本で宿を予約するときは直接ホテルのネット予約からするか、ネット予約の『じゃらん』を利用するかしています。『じゃらん』だったらば次の予約でポイントを使うことができるのでちょっとした割引になったりします。なので、初めて吉野山を訪れる時に検索したのがじゃらんからでした。
じゃらんで検索してみるとわかるんですが、こちらのお宿は吉野エリアでは人気No.1で出てるんですねぇ。あまり、気にしてなかったんですが、こちらのお宿との馴れ初めは、2012年の修士課程の日本の伝統色の取材で吉野山を訪れる時の宿選びから始まっています。
2012年にAU友人のお母様と仲が良く、雑談していたところ、わたしの修士課程の日本取材の話になり、
「旦那は忙しいから、誰か一緒に行ってくれる人を探しているんだけど」なんていう話から、
「え?私、まだ日本に行ったことがないの!」から話が始まり、一緒に行くことになったのです。しかし、彼女はエビやカニなどの甲殻類のアレルギー、それから特定の魚(甲殻類を餌にしている魚)のアレルギーがあり、嘔吐などひどい症状が出るそうなので、ホテル、レストランなど前もって連絡することにしました。
実はこの時、吉野山にある、とある旅館のお風呂に興味を持ったため、そこに泊まる予定で予約したのですが、このアレルギーの件で電話すると、
「は?」
「え?」
「はあ・・・」
と言うような返答ばかり、そして仕方なくメールを送るも返事なし。
私ね、こういうところに誠実さやビジネスに関しての真剣さって出ると思うのですよ。電話応答がきちんとしていない所って、偏見と言われようがなんだろうが、もう、全くもって信頼感なしなのです。なので、速攻、キャンセルし、じゃらんの口コミを再チェック。
そして、一番最初に出てきた「吉野荘湯川屋」さんに予約する前に電話で確認を取ろうと国際電話をしたのです。最初に電話にお出になったのは、多分、中居さんだったのでしょう、すぐに丁寧な対応で女将さんに電話を代わっていただいたのです。
女将さんは細かく、どんな食材か、どんな魚の名前なのか、あれやこれやと質問してくださり、
「はい、承知致しました。安心してご来山ください」とのこと。
物腰の柔らかさ、私の冗談に電話口でコロコロと笑って下さった気さくさ。もう、この時点からこの女将さんに会いたくてたまらなくなったのです。
そして、12月の頭ということもあり、だめもとで
「あのう、申し訳ないのですが、コタツが懐かしいので、コタツ、ありますか?」というようなことをお願いしたら、
「はい、いいですよ」と、こちらは専務さんが快く受けていただいたのです。
当日、宿に着き、部屋に入るとコタツが用意されておりました。
「あああ・・・コタツだ。20年以上ぶりのコタツだ・・・(涙)」と思い、コタツに入る・・・。でもですね、空調が効いているので実は、コタツ、いらないのですよ。
やっぱり、コタツって、室温も寒くないとありがたみがないのね・・・と思った次第でした(笑)。なので、あまり出番がなかったのですが、それでもゴロゴロと横になったりして、「コタツの懐かしさ」を満喫しておりました。
アドバイスは適切かつ、さすがの老舗旅館

こちらの湯川屋さん、実はなんと300年以上も続いていると言う吉野では最も古いと言われる老舗の旅館なのです。専務さんである、山本さんが今の16代目の館主だそうです。
詳しいことは、湯川屋さんのホームページより引用させて頂きます。
“ 当館は、「あたたかみのある宿」をモットーに、地元吉野材を使用した木造吉野建て和風旅館です。歴史的には、嘉永元年(1848年)氷室長翁先生が書いた「芳野日記」や、天保12年(1841年)小田宅子先生が書いた「東路日記」などに登場する歴史のある旅館で、役行者尊像(1286年在銘最古)と共に吉野山を守ってまいりました。
なので、吉野のことについては当然のことながらお詳しい。
こちらは金峰山寺からも近く、夜間拝感と言うご開帳をセットにしている宿泊パックもあって、2回ほどこの金峰山寺の特別ご開帳に参加しました。
「〇〇分前に行ってくださいね、そうすると前に座れますから」とか、
「明日、ハイキングに行くなら上の方は食べるところがないからお弁当を作ってあげましょうか?」(当然、無料ではございませんよ!)とか、
「〇〇さんは、結構、面白いから行ってらっしゃれば?」とか、
結構、アドバイスをくれるんですね。女将さんだけじゃなくて、専務さんも地図を広げてくださり、ここはこれこれで、ここはこれこれで・・・と、本当に細かく教えてくださいます。
お部屋は清潔でゆったりと過ごせるスペース

お部屋は、当然ながら旅館ですから畳です。
海外生活をしていると滅多にお目にかかることがないのが、畳。
個人的には板の間、フローリングが好きで、カーペットが大嫌いなのですが、やっぱり、畳はいいですねぇ。匂いが違う。
そして、さっぱりと清潔に保たれていて気持ちがいいのです。間違っても、髪の毛が落ちてるとか、部屋の隅に埃が溜まっているなんてこともございません。
実は、泊まったことはないのですが、こじんまりとしたお部屋もあるので、女性同士で泊まって、マッタリとするのも良いのではないでしょうか。ここのコタツでゴロゴロするのがいいかも。

山の幸の会席料理が美味しい!
じゃらんにもあるのですが、こちらの湯川屋さん、ご飯がめちゃくちゃ美味しいのですよ。まあ、私も旅館とか結構好きなので(布団でも誰かが上げ下げしてくれるから)、日本にまだ住んでいた頃、よく両親と行ったり、友達と行ったりしたことがあるんですが、どうも・・・なんだろう。不味くはないですけど、あまり、料理に対して感動が薄いというか。
しかし、京都でもうまい料亭とかそれなりに食べて来たにもかかわらず、こちらの会席料理がとっても美味しいのです!
板前さんの工夫の仕方がとってもいいんですね〜。ただ単に作って出すでけではなく、ちゃんとお勉強して、工夫して出していただいている感じなんです。食べるだけでなく、当然ながら、見た目からも、それからその意外性も楽しめるというお料理なんです。




食いしん坊すぎて、写真がこれしかないってのが情けないのですが、写真撮るのを忘れるくらい美味しくて・・・。これにあゆの塩焼きがついてきました。もう、美味しすぎ(涙)。
私、鮎の塩焼きが大好きなのです。京都の錦市場でも2匹食べて、3匹目を食べようとしたらツレに、
「まだ食うの?」、と咎められために食べませんでしたが、
いまだに
「やっぱ、食っとけば良かったよなぁ」と折に触れ、後悔しております。
そして、こちらが朝食。
朝食は、お部屋ではなくて広間の方に行って食べるようになっております。こちらもですね、もう、かなりの量。いつもはシリアルに紅茶、あるいはトーストにトマトのスライスをのせて塩胡椒をさっと降って食べるなんていうような軽い食事なのですが、もう、朝っぱらから嬉しいのなんの。
こちらでは奈良の有名な茶粥を食べることができます。ほうじ茶で炊いたおかゆさんですね。さっぱりとしていて、これもまた楽しみの一つ。

この写真の手前にあるのが、茶粥です。
こちらにも朝から鮎の干物がついてきまして、これをさっと自分で炙って食べるのですが、いや〜これもまた・・・美味しい。
実は、この鮎の干物が楽しみで・・・・。
毎回、
「あ、そういえば鮎の干物があるなぁ、明日の朝。」なんて思ったりするのです。OZ旦那と行った時は、絶対食べないだろうと思っていて、これをくすねる算段をしていたのですが、
「これはどうするの?え?炙るの?・・・あ、美味しい!」
と、完食され、ちょっと残念だった(涙)。
まとめ
私はあまり冒険家ではないので、あまりいろいろなところい泊まり歩くということはしないタイプです。気に入ったところにしか泊まらないし、気に入らなければ、絶対に二度と行かない。けれども、気に入ったらちょっと遠くてもそこを拠点にして移動するという感じなのです。
ですから、京都にしても私は京都ブライトンホテルにしか泊まらないのですが、まあこれはいろんな理由があるのですが、ちょっと駅から距離があるので、不便だという人もいるのですが、私は、京都ブライトンしか泊まりません!過去記事どうぞ。
それと同じように、こちらの湯川屋さんも一緒。
なぜかゆったりとよく眠れるし、とても温かい気持ちになるのです。
前回行った時のツレは約30年くらいの付き合いで、あ・うんの呼吸で旅ができる最高の友。実はこの時、台風の影響で関西国際空港がその前の台風15号で連絡橋にタンカーが追突。そして私の航空会社が成田空港に振替になるなど、本当に不安だったのですが、マメに連絡をいただいたりと、本当にお世話になりました。
そして、宿をチェックアウトしてその日のうちに関空に行って帰国するはずだったのですが、これまた台風で、電車が止まるとか止まらないという話をしていたのです。そして、実際には関空が事前に閉鎖になり、私の飛行機は欠航し、キャンセルに。仕方なく、京都にもう一晩泊まるとなった時も、女将さんが心配して下さって、
「じゃあ、SAKURAさんは京都で・・・」と、ツレをチラ見し、
ツレが、
「はい、私も一緒に泊まることにしました」と言うと、
女将さんったら、
「まあ、一緒に行ってくださるのね、それは良かった、ほほほほほ」
と、心底安心されたようなご様子。
いや、あの・・・女将さん、その「それは良かった、ほほほほほ」の意味はなんでっしゃろ?
そんなに私は危なっかしいのだろうか・・・?
と言うわけで、私はとってもこの湯川屋さんが大好きなのですよ。
ちなみに、この女将さんとも私たちは同世代だそうで、なるほど〜、それで意気投合したのですね(笑)。
ふふふ、また次回も日本に行くことがあった時はまたお邪魔しますね。
今度は、「ただいま〜」と行くことにするかね。
きっと、女将さんも専務さんも「お帰りなさ〜い」と言ってくれることだろう・・・。
現在、桜の時期である4月の予約はJTBからの予約になるそうです。が、4月の下旬ごろ(20日以降)は春の特別ご開帳夜間特別拝観とのパッケージでネット(じゃらん、楽天、湯川屋さんのホームページ等)から予約ができるようになったみたいです。