ウチには二人、息子がいます。長男はバリバリのティーンで、思春期・反抗期の真っ只中にいます。そして次男はとっても可愛い盛りの9歳で、二人の間は9歳離れています。
私の家庭では、基本的には欧米式、オーストラリア式の子育てをしています。そして、それはウチのOZ旦那の育ってきた環境ややり方がほぼ伝承しているような気がしますが、オーストラリアでは子供の躾や心理学的な側面から様々な情報や指導、あるいはGP(総合医)などへの相談などで、OZ旦那が育ってきた頃と育てかたが違うことも多いです。
そして、ああ、こういうところはちょっと日本と違うなぁと、自分が子供の頃を思い出しては比べてみています。代表的なのは、悪いことをすると外に出すという、日本のしつけ方です。
私は普段はいい子だったので、たま〜に、悪いことをすると外に出されたという経験があります。これ、定番ですよね。
よく、外に出されちゃって、泣きながら「ごめんなさい、もうしないから、開けて〜ぇ!」っていうやつですね。今でもこれが当たり前のようにあるようで、寒空の下に放置して幼児虐待というようなニュースもよく聞きます。
では、なぜ日本の親は外に出すんでしょう?
今回は、日本の外に出す躾と、欧米の『タイムアウト』のしつけの違いについて書いてみたいと思います。
日本の外に出すしつけの真意は?
日本の文化はやはり、ちょっと欧米社会とは違った部分があります。基本的に日本は家族や地域社会といったコミュニティーベースの社会構造で成り立っています。
まあ、最近では核家族化が進んでいるので、あまりこういう部分についてよくわからない人もいるかもしれませんが、日本は集団主義ですから、家族やその地域社会でのルールや秩序を尊重する、あるいは重視する民族性を持っています。そして、その一番小さな集団の単位がまず家族です。
日本の集団社会においての風習というのは、『村八分』などという異質なもの、あるいは集団生活に馴染まないもの、またはその秩序を乱すものを排除するという傾向があります。
そして、これが『外に出す』という躾の元になっている考え方だと私は思います。
言うことを聞かない
悪いことをした
家の秩序を守らない
「それじゃ、このコミュニティー(家庭)ではやっていけないから、出て行け!」と言うことになる。そして、日本人はたった一人でいたり、孤立するととっても不安になる民族性を持っていますから、その部分を使ってしつけをしているという感じに捉えることができるでしょう。
日本人として最大の罰や戒めは「集団から追い出す」と言うことであり、「悪い子は、こうやって追い出されるんだよ、だから言うことを聞きない!」と言うことになると思います。
参考になるかどうかですが、こんな記事も書きました。
欧米式育児から見た日本とオーストラリア子育ての5つの違いとは?
欧米の「タイムアウト」しつけの真意は?
反対に欧米では「外出禁止」や「部屋から出るな」と言う感じでしつけをして行きます。部屋で謹慎させたり、部屋の隅や階段などに座らせたりして、一人にさせるのを「タイムアウト」と言います。
ただ、年齢的なこともあって、小さい子供の場合は、一人で部屋に閉じ込めると恐怖心や不安感が煽られてしまって、心理学上よくないので、親から見える範囲でやります。
「少し部屋でタイムアウトして来なさい!」← これは長男(17歳)。
「部屋の隅でタイムアウト!」← これは次男(8歳)。
というような感じで、子供たちの自由を奪うんです。
そして、一人になって子供にも冷静にある時間を与える。ウチもこれでやっています。17歳の長男も口答えがひどかったり、母親に対しての態度が悪かったりすると、今だに「部屋に行って、反省していなさい!」と言われてます(笑)。しかし、習慣って恐ろしいもので、今だに、ブツブツ文句を言いながらも、素直に部屋に行きます。
そして、しばらくすると出て来て「ごめんなさい。僕が悪かったです」って謝って来るんです。8歳の次男も、駄々をこね出して止まらなくなると、旦那にひきずられてリビングの階段に座らされてます。
長男も、確か10歳くらいからだったと思いますね、部屋で一人で謹慎させるようになったのは。それまでは、おもちゃで遊ばないようにリビングとか見える場所でタイムアウトさせてました。
また、TVやディバイスなどを取り上げる場合もあるし、長男の場合は外出禁止だったり、ペナルティーとしておこずかいの削減があったりします。これは、悪いことをしたら、「ちゃんとそれに見合った償いをする」、「罰を与えられる」と言うもの。
まあ、極端な話、成人になって罪を犯せば法律で罰せられ、刑務所に入れられて自由を奪われますよね、それと同じですね。そうやって、小さい頃から自分のやったことの責任は自分で取るということを教えることにもなります。
現代では幼児虐待にもなる「外に出す」しつけ

Takayuki Tanooka, father of seven-year-old Yamato, bows in front of media after his son was found, in Hakodate, Hokkaido. Picture: Kyodo/AP
3年ほど前、北海道で小学校2年生の男の子(うちの次男と同じ歳)が行方不明になった事件がありましたが、あれは父親が言うことを聞かない息子をしつけのために山の中に置き去りにしたって言うものでした。
実は、こちらでもニュースになったんです。あの父親、しっかりと謝罪している写真が出てましたし、見つかったガキのニッコリ笑って、ピースまでしている写真も出てました(それは載せませんけどね、ここでは)。
OZ旦那と、「うわっ、悪そうなガキだなぁ・・・全然、反省しとらんなぁ」と言ってたんです(笑)。
そして、このオーストラリアの記事のコメントには、
「バカな罰を考えたものだ」
「親も罰を受けたんだから、見つかってよかった!」
「親から親権を奪い取るべきだ」
「幼児虐待を考えるべきだ」
などなど、まあ、親に同情するのもあったし、実は自分も置き去りにされたことがあるなんて話もあったけれど、ほとんどがなんで7歳の子供を山に置き去りにしたんだ。と言う意見の方が多かったです。
ウチではどちらかと言うと、このご両親に対して同情的な部分の方が強かったです。いやぁ、本当にどうしようもない、クソ悪いガキっていうのがいるので、いっくら言い聞かせても分からないガキが。ちょっとばかり懲らしめるために置き去りにして、当然ながら後で車でまた戻ったんでしょうけど、クソガキだからきっと勝手に歩き出した。それで、世界的なニュースにまでなっちゃって。いや〜、グローバル化って怖いですね。
でも・・・山の中で置き去りはちょっと、やりすぎだったかな・・・、とは思いますね。やっぱり、ちゃんと子供がどうしているか見えるところに親はいるべきだったと思います。
そして世間的には、特に寒い冬に野外に出すと言うのは、幼児虐待を疑われても仕方がないんです。長時間にわたるとそれによる精神的な影響も考えられるし、そんなに長い時間は必要ないと思います。
参照:The Australian:Japanese boy abandoned by parents as punishment found alive
まとめ
しつけって、本当に文化的なものが出ますね。「外に出される」しつけは日本で親からされましたし、今は親として欧米式の「部屋で謹慎」や「タイムアウト」しつけを実行中です。ちなみに、鍵はかけませんよ、鍵なんてないですし!ウチには鍵があるのは、バスルームと私たちの寝室のみ。
ですから、トイレに行きたくなれば、勝手に行けるけど、トイレの後はまた私たち親がいいと言うまで出ちゃいいけないのがルール。それか、きちんと何が悪くて、どうしてタイムアウトになったのかを私たちに説明することが出来れば、オッケー。それまでは、タイムアウト。
まあ、日本も海外も同じようにそれぞれに躾のやり方って違いますし、実は時代とともに変わってきているのも事実。でも、日本の外に出すのはあまりいいとは思えませんし、除外することを教える必要はないと思います。
そして、効果がない上に精神的なトラウマになるでしょうし、「家族の方針に合わないようなら、出て行け、排除してやる」、という考え方は、いじめでもありますよね、仲間はずれにして、排除するという考え。
日本のいじめの原点はこういう躾からも来ているのかも知れないとちょっと思いました。
しかし、風習や文化というのはそうそう簡単に変わるはずもなく、親から子に受け継がれ、もしも私がOZ旦那と結婚して子供を育てていなければ、多分、私も私の親がした躾を正しいと思い、しているのではないかと思います。