HOME シドニー暮らし オーストラリアは人種差別が...

オーストラリアは人種差別が多い?豪州移住19年から見た豪州の人種差別

最近になって、日本でも移民を入れると言う政策が進んでいるようですが、それによって外国人労働者に対する待遇、差別発言や行為などが社会問題化しているように思います。移民を入れると言うことに関しての様々な器、つまり、福祉、保険、労働法などが出来上がっていないうちから受け入れるとまずは混乱が起きてしまいます。これは日本だけに限らず、移民国家でも同じことが少なからず起きることでもあると思います。

私が知り合った海外からの友人たち(米国、フィンランド、スイスなどのヨーロッパ系)から言わせるとオーストラリア人は人種差別的だと言われることがあります。そしてまた、よくネットでも

『オーストラリアは人種差別が激しい』

なんて事も見ることがありますが、果たして実際にはどうなのか、と言うことを私見ではありますが、ちょっと書いてみたいと思います。

実はそんな感じで、ゴロゴロと転がっている人種差別なんですが、実際のオーストラリアの人種差別はどんな感じなのか・・・・ちょっと、19年間の経験も含めて、掘り下げて見ましょう。

田舎に行けば行くほど酷い人種差別は本当か?

実は、オーストラリア人から見ると、田舎に行くほど人種差別が多いと言われています。例えば、アメリカなどでもあるRed neckという人種差別大好きな白人達もオーストラリアの田舎にはいっぱいいます。

オーストラリアの歴史は約200年あまり。ですから、まあ、オーストラリアという国としては、若い国と言えるんですが。しかし、オーストラリアには、先住民族がいます。ご存知のように、アボリジニーの方達が、先住民族です。

彼らはイギリス人であるキャプテン・クックがこの大陸を発見した時からずっと迫害され、差別され続けていると言ってもいいでしょう。彼らは、はじめはオーストラリアの沿岸部に住んでいたんですが、白人の移民とともに段々と内陸部の生活環境が厳しい地域へと追いやられて行きました。

詳しいオーストラリアの歴史はこちらに書いております。

https://www.myartylife.net/australia_day_is_invastion_day/

これもまた、日本でいう蝦夷民族やアメリカのインディアンたちにも似通っていますよね。ですから、オーストラリアの内陸部、田舎の方ではアボリジニーの人口は当然ながら多い状況になっていますし、それに伴ってどうしても白人による差別も多くなっています。

では、なぜ田舎の方に行くと差別が多いと言われるのか?

これはやはり、『異種』に触れる機会が少ないということではないかと思います。基本的にはオーストラリアでは人口が沿岸部に集まっていて、田舎に行くと非常に人口が少なくなり、白人数も上がってきます。

ですが、移民はどうしても言葉の問題だったり、経済的なことで物価も安い地方や田舎などに移らざるおえない状況になることもしばしば。ここで「毛色が違うもの」や「異種」を排除、軽視、または差別する無教養な人たち、或いは意識が低い人たちによる差別が多くなってくるのではないかとおもいます。

反対に都会では様々な人種の人たちがいますから、無関心や異種を排除する感覚では生活そのもの、或いは仕事そのものが機能しなくなってしまいます。ですから、自然と人権や差別に対する意識も高くなるということだと思います。

田舎での差別によくこのブログでも取り上げているんですが、トルコから移民してきた、お友達家族も、ケアンズの田舎で「あんた達に提供する食事なんてないから、出てってくれ!」って、面と向かって言われたました。その旦那さんは、お医者さんで、みなりだってきちんとしているし、乗っていた車はレクサスです。

ですが、そんな人ばかりではないは確かな事で、とっても親切な方々もいるでしょう。実際、私がNSW州のWagga Waggaという田舎町に行った時には非常にフレンドリーな雰囲気でした。その街の知り合いに聞いたところ、Wagga Waggaでは難民を積極的に受け入れており、大きなTAFEがあって現在、この街は人口が増えていて、難民を受け入れるにあたって様々な民間の活動があると言っていました。

都会での人種差別は?

それでも、移民国家として200年も経ってくれば、移民の2世(白人以外)や3世が出てきます。彼らは移民としての差別や職業的なハンデから子供達の教育にはとっても熱心なので、自然とその子供たちは高学歴が多くなってきます。

実際、シドニーの大学を見てみるとアジア系やインド系などの移民の子供達が多く在籍しています。しかし、都会でも当然ながら人種差別はあります。最近では、中国の経済的な力が強くなったため、海外で教育を受けさせて移民させようとする親御さんも多いです。それによって、白人たちの「オーストラリアがアジア人に侵略される」と言った危機感が煽られるらしいです・・・。

私の家の近くにあった、ベトナム人のパン屋さんのおばちゃんが言ってたんですが、ある時、白人の女性がいきなり店に入ってきて、「中国に帰れ!お前らのせいで、この国がおかしくなっている!」と怒鳴られたとか。店の中にいた白人男性が、「お前、何言っているんだ!この人は、ベトナム人だ!」と言ったら、何も言わず出て言ったとか(笑)。

おいおい、アジア人がみんな中国人に見えるとか、日本人の白人はみんなアメリカ人と思っているのと同じレベルだぞと、思って笑っちゃったんですが。その、ベトナム人のおばちゃんも「ばかだよねぇ・・・あの女だって、元々は移民なのに。アボリジニーには見えなかったし」と大笑いしていました。うん、あの太い根性がこの国の未来を支えているんだね、と思った事件だったんですが。

そして、これが差別をする白人たちのレベルを象徴しているなぁ、と思うようなお話だと思います。

ですが、上記でも書いたようにコスモポリタンと言われる都市では人口が多いので、移民も当然多く、様々な国から来ている人が多く、白人だけのコミュニティを作るのは不可能に近いです。そして、様々な人種に触れる機会が多いので人々は『異種』に慣れ親しむ機会も増えるわけです。ですから、都会には人種差別が少ない、ということにもなってくると私は思います。

無意識の人種差別

ステレオタイプの白人は、自分がひょんなことから差別をしているということは意識してません。これは、どこの国でも一緒なんだろうけど、結構、センシティブな話題だったりして、どこからどこまでが人種差別なんだかわからないこともしばしばなんです。

例えば、豪州では、「中国人は車の運転が下手」という通説があります。これね、日本人の私が言うと、差別だって言われちゃうんですよ・・・・。と言うのは、日本と中国の国際的な関係と歴史によるもので、どうしてもそこへ飛んでいくらしい。

ですが、AU白人の友達が言うと、そうは取られなくて、笑い話になって終わる時もある・・・。まあ、実際問題、中国から移民してきた人たちは道路事情も違うし、あんな人と車がいっぱいいるところから来たら、いちいち謝ってらんないって言うこともあるんでしょうよ。ですから、もうとにかく、我が道をゆく!これなんです。歩いて、ぶつかろうが、道を塞ごうが、何をしようとまず、謝らない・・・・これ、国民性なんですよ。

そしてまた、移民国家ですから様々な国の人たちが移住して来るわけですから、このように中国の方だけじゃなくて国民性というのが出てきます。

もっといい例で言えば、イスラム教圏の移民や難民に対しての差別の方がひどいでしょう。これは現在でも続いているイスラム教徒過激派のテロ行為などですが、文化的な思想から男尊女卑が多いとされているのも確かです。これについて、欧米のフェミニズムが浸透した文化的な見解から理解できない人も多いです。ですが、イスラム教徒であったとしてもフェミニストな方もいらっしゃいますし、同性愛を罪だとしていながらも理解をしている方もいらっしゃいます。

ですから、ステレオタイプのイメージや先入観が一人歩きするというのがいかに危険か、またはそういう人間が多く、メディアもまたそれに加担している場合もあるのではないかと私は思います。

世界情勢も影響

ヨーロッパでは、シリアの問題があって以降、シリアの難民の大移動が起こっていて、それに伴って移民受け入れについての賛否が問われていますが、どこの国でも宗教的な観点から受け入れを拒否する人も多いんです。

特に、ユダヤ教や敬虔なクリスチャンも過激とされています。拮抗するキリスト教とイスラム教、その差別はもう昔からあるものだから、根が深いんです。それに伴って、ISISのテロだったり、それを元にメディアを使っていいように操っている人たちもいたりします。

基本的に移民を希望して、危険を冒してまで国を捨てる人たちの中にテロリストはいない筈なんですが、メディアの過剰とも言える報道が人々の恐怖感を煽り、パラノイアが入っている人もいます。それによって人種差別をひどくなるように操作しているのではないかさえ思えます。

これは、オーストラリアでも言えることで、バスの中や電車の中でイスラム教徒のオーストラリア人が人種差別の対象になっていると言う時期がちょっと前にありました。2014年には、FacebookやTwitterなどでは ”I will ride with you” 運動(人種差別がひどく、怖くて一人で公共の交通機関が使えないイスラム教の人のために、一緒に乗ってあげること)が起こって、私のFacebookにも載せていた時期がありました。

私の友人の中にも何人かイスラム教徒の人たちがいたので、人ごとではない気持ちでいっぱいでした。この#illridewithyou運動は、ソーシャルネットワークを通じてオーストラリアから世界中に広がりました。

人種差別の薄い境界線とは?

そこで、人種差別ってどこまでが差別で、どこまでがそうではなんだろうという疑問があります。これは、とっても薄い境界線のようなもので、立場によったりでパワハラになったり、セクハラになったりするのと同じように、人種差別も言い方や人種によっても違ってくるのではないかと思います。

それに、白人だって反対に差別されている場合もある。

例えば、昔、旦那の生徒の中国からの留学生がいきなり結婚することにしたらから、立会人になってくれと言われたことがありました。19歳の男の子で、相手の中国人女性は25歳。新郎は、見た目アキバにいるようなギークなオタク坊主だった。相手の彼女は、う〜ん、地味な感じ?新郎のご両親は、最後まで結婚に反対していて、結婚式の出席も拒否。それでも二人は幸せそうだったし、若くても頑張って色々と乗り越えて欲しいなぁ・・・と思って見ていました。

そのあと、彼らの友達が集まっての食事会では、私に質問が多くそれが、「どうして、オーストラリア人と結婚したの?」とか、「同じ人種じゃなくてもいいのか?」とか、そんなものが多かった。いや、中国の若者がこんなに保守的だったとは知らなくて、結構びっくりしたんです。その中でも「私は、絶対に中国人以外の人とは結婚しない!文化が合わないし、うまくいくはずない。ましてやオーストラリア人なんて嫌。」と言い切っていた女の子がいた。これも、ある意味、白人差別だよなぁ・・・なんて、思っていたんです。

面倒臭いし、二度と会う人たちでもないので、適当に「まあ、色々あるんじゃない?私はオーストラリア人だったから結婚したわけじゃなくて、この人だったから結婚したのよ」と言いましたが・・・・。

コスモポリタンとしての外面

シドニーやメルボルンは基本的にはコスモポリタンとして独立した考え方をしている・・・・と思っている人たちも多いと思うんですが、まあ、当たっている部分もあれば、やっぱり、人によるかな、と思う部分もあります。

それでも、私はシドニーを離れる気はないし、移るんだったらメルボルンかなぁとも思います。ブリスベンは、クイーンズランド州というのがあって、ちょっと、嫌かな。まあ、住んでいる人には失礼になるかもしれないけど、どうしてもクイーンズランド州というのは、歴史的にみても人種差別がひどかった州で、オーストラリア人には今だにそのイメージがあり、うちの旦那も絶対に住みたくないといいます(旦那はクイーンズランド州北部の出身)。

私自身、個人的に表立った人種差別で被害にあったことはないです。でも、ああ、この人は私を差別しているな、と感じることはしょっちゅうあります。それは、ベビーシッターや、お手伝いさんに間違われたことや、買い物に行って、ものすご〜くゆっくりと話しかけられたこと、あからさまに他の白人客とは違う対応をされることもあります。

実際、本当の人種差別者って声高に「私は白人以外はみんな嫌い」なんて言わないし、隠している人が多いんですよ。こういう人たちって、自分は人種差別してないと思っているみたいだけど、ちょっとしたことで、心の隅にあることが表面に出てくることもある。

シドニーに住んでいて、移民大国のオーストラリアだから、自分たちはコスモポリタンなんだっていう外面だけはとってもいい人が多い・・・そんな気がするときもあります。

まとめ

人種差別は、もう大昔からあるものでそれが戦争を引き起こすこともあるし、なくなることはないと思うんですが、それでも世界がこうやって広がってきて、人が移動するのが当然のような世の中になってくると、こういったちっちゃなことにこだわっていると、とっても生きずらいんじゃないかと思うんです。

私は、偶然に日本で生まれて、日本で育った。旦那はオーストラリアのクイーンランド州のど田舎で、ドイツ系のママとアイリッシュ系のパパの間に生まれた。同じように私の友人だって、トルコの裕福なおうちに生まれて、医者になって、オーストラリアに移民しようと決心した。

全ては、偶然の積み重ねで、私だって次に生まれ変わる時にいきなり戦争の真っ只中に生まれちゃうこともあるかもしれないわけです。ですから、人種で差別するのって、本当に馬鹿馬鹿しいと思う。なんで、そんなことに体力を消耗しないといけないの?って思うんですよ。でも、宗教はね、別。これは個人の選択ですからね、これはもう思想が入っているので、私は宗教観について合わない人もいるし、それでお付き合いできない人もいます。

基本的に、そんなに肌の色が違うから嫌いならば、関わらなければいいし、無視していれば良い。差別ってね、されてみるとわかるけど、結構、悔しいものなんですよ。いじめと一緒で、理不尽だし不公平だし、訳がわからない。

日本でも最近ではヘイトスピーチが禁止とか言うけれど、あんなのオーストラリアでやったら、警察で侮辱罪で捕まるんです。ですから、まあ、こんな人あまりはいないと思いますけど、日本からオーストラリアに来て、人種差別をすると簡単に警察に引っ張られるので、気をつけてください、日本では合法でも、オーストラリアでは違法ですから。

ホモフォビアもそうだけど、このちょっと違うから嫌という人たちも、本当に困ったものだと思います。教養がないとか、そういう問題じゃないのかもしれないし、育った環境なのかもしれないし、肌の色が違おうが、育った国が違おうが、いい人はいい人なんです。反対に嫌な奴は、嫌な奴なんです。

最後に。

オーストラリアにいる白人は、全員、祖先は移民で、歴史的に見れば侵略し、また略奪、虐殺を繰り返しているのです。なのにまるで自分達が生み出した国ようなツラして他の移民や先住であった人たちを蔑ろにするのは極めて筋違いであると思います。

 

 

参考になったなぁ、面白かったなぁ、と思ったら『シェア』をポチッとお願いします。

  • Facebookでお友達にシェア
  • Twitterでフォロワーさんにシェア
  • Pinterestでピンしてシェア
Sakura
2000年からオーストラリア在住。シドニー某大学の修士課程卒業。『海外在住引きこもり主婦』のアーティスト兼ブロガー。専門は銅版画ですが、油絵もやります。海外生活事情や文化などを中心に書いてます。
- Advertisment -

最新記事

オーストラリアの森林火災

オーストラリアのユーカリの木が自然発火で山火事は常識という事実

オーストラリアはとっても広い国です。もう、びっくりこくくらいデカイ国で、大陸です。そして、気候も熱帯雨林から乾燥している砂漠気候まで様々。 ですが、実際には非常に乾燥している国なんです。真ん中のウル...

人気の記事

ランダム

PVアクセスランキング にほんブログ村

人気のカテゴリー