日本でも、ラインやメッセンジャーを使ってのイジメを『ネットいじめ』っていうそうですが、欧米やオーストラリアでは、サイバーいじめ(cyber-bullying)と言います。どこの国も子供達も同じように、ウチの長男も友達とのやりとりは全て、ネット上、SNSで済ませているようで、最近では学校でも気をつけるようにという指導も入ります。
オーストラリアではLINEはあまり流行っていないので、SnapChatとか、Facebookですね。大体は、Facebookのメッセンジャーを使っているみたいです。
そこで、最近になって起こった、ウチの長男が巻き込まれちゃった事件をご紹介しましょう。
SNSいじめ:ネットいじめの裏側
ネットいじめはもう、その辺に転がっていて、今年になって14歳のクイーンズランド州の女の子が自殺したっていうニュースがありました。放っておくと、本当に野放し状態になるんですよ・・・・どんどんとねずみ講式に増えて言って、友達の友達だったり、あったこともないような人がSNSの友達になっていたりするわけです。
それに、友達同士でも「あんた、Facebookでどのくらい友達がいる??」なんてことを競ったりしてて、それが自分の人気のバロメーターのようになっている節もあるし。ただ、これは年齢とともに落ち着いて来ます。ウチの長男も一時期はこんな感じで、私にまで聞いて来ましたし・・・。
長男:ね〜、マミーのFacebook友達って、何人?僕なんてね〜、700人超えたよ〜(喜)
私:ふ〜ん、それ、みんな友達?それとも片っ端から申請してんの?会ったことある人たち?
長男:あ〜、学校の友達の友達とか。会ったことあるのもいるし、会ったことないのもいる・・・。
私:ふ〜ん。
思春期のティーンとうまくやる方法
はい、否定はしちゃいけませんよ!思春期の子供に否定は厳禁です。まあ、事と次第によるので、どうでもいい次元のことについては、否定はしない・・・聞き流しましょう!
ウチでは、一応、18歳になるまでは何かあった場合、親の監督責任を問われますので、奴のメールを私のメールに転送するようになっていて、モニターしています。しかし、このSNSに関しては放任しています。そこまではね、親と言えども思春期の子供の交友関係にはできるだけ干渉しないほうがいいので。交友関係についても、たとえ、ちょっとどうかな・・・・というような友達と付き合っているようであっても、どの程度の友人関係かどうかはその子供本人しかわからないことですから、長い目で見てあげることも子供のとの信頼関係を築く上でも大切ではないかと思っています。
さて、先日の出来事なんですが、夕飯の支度をしていた頃、長男の携帯に電話がかかってきました。
長男:マム、警察から・・・・
オーストラリアではいじめに警察が介入する
まずはじめに、この時に私が言ったこと・・・
あんた、何やったの?!What have you done?!
とりあえず、ちょうどウチの豪人夫がいてくれたので、電話を息子から代わり、警察からの事情を聞きました。すると・・・次のことでウチの息子のところに電話があったようです。
事件の概要・・・・
- 息子の友人、Aちゃん(16歳)の元彼氏B(17歳)が、バレないように名前を変え、Aちゃんの友人であるCちゃん(16歳)のスナップチャットのアプリに、「友達申請」をした。Cちゃんは、これがBだとは知らずに『承認』してしまった。
- この元彼氏Bは、このCちゃんに『乳を見せた写真を送れ!』と強要するが、当然ながら、このCちゃんは断った。
- Bは、なんども要求したものの、ダメだったので、ゲイだという噂(冗談だったらしいが)のあるウチの息子に対して、『裸の写真を送らなければ、オマエのゲイ友達のM(ウチの息子)をナイフで刺してやるぞ!』と脅してきた。(ちなみに当時の長男は色々と模索中で現在は彼女が居ます)
- ことの報告を受けた、元彼女のAちゃんは、これが元彼氏のBだと断定し、あまりにもひどいし、仲のいいウチの息子に危害があってはいけないと、お母さんと一緒に警察に通報した。
それで、電話がかかってきた・・・ということだそうです。
刑事さんは、「出来ればきちんと訴え出てほしい、そうすれば、こういうバカなティーンを二度と、こんなことを考えないように、ギャフンと言わせることができるから。親も含めて、コッテリとしめてやる!」とウチの夫に言ったそうです。で、2日後に息子と一緒に出頭することに。
とりあえず、この次第を確認するために、このAちゃんのお母さんにFacebook(一応、仲が良かったから)で連絡を取ってみた。そしてどうも、このBと言うガキ、口だけの男らしく、特に仕返しとかするとは思わないから、心配するなとのこと。住んでる住所まで教えてもらちゃった。
ところが、出頭当日に予約の電話を入れると、担当の刑事さんがお休みとのことで、仕方がなく連絡をもらう旨をメールしてもらったんですが、三日経っても音沙汰なし。
まあね、別にうちはいまだ被害があるわけでもないし、住んでるところも知ってるから、いざとなれば、直接こちらから被害届を出すこともできるので、とりあえずは連絡を待つことにしました。
親にも罰金が科せられる場合もある
それからまた、数日後のこと。息子の携帯に刑事さんから連絡がありました。
このBの家に、刑事さん達、行ったそうです。
初めのうちは彼の両親も否定していたけれども、そこは警察ですわね、キチンと携帯のIPアドレスや履歴などの証拠を見せたそうです。そして、こってりと締め上げたとか。親も今回は見逃すが、まだ18歳になるまでは監督責任があるので目に余る場合は、罰金を科すこともあると脅したとか。
かなりビビっていたから、もう二度とこんな馬鹿なことはしないだろうとの報告でした。
そうなんですね、オーストラリアでは親の責任もきちんと追求する場合もあるんです。例えば、ハウス・パーティーなどを開催して子供がコッソリとお酒を持ち込んだりして大騒ぎになり近所の人が通報した場合、監督不行き届きという事で$2000の罰金が課せらることもあります。
実際に姪っ子のパーティーでこっそりお酒を持ち込んだことを知ったそのウチの父親が激怒して、
「お前ら!全員、帰れ!!」
と、烈火の如く怒って、たったの30分でパーティーはお開きになったと言うこともございました。
ネットいじめの対処法
まあ、日本ではここまで真剣に警察が動いてくれるとは思いませんが、オーストラリアでは「犯罪は未然に防ぐ」と言うのも仕事のうちなんですね。ですから、こういうケースも、放っておいたらこの少年Bが大きくなって、もっとひどい犯罪を起こすことになるかもしれない・・・と考えるわけです。
例えば、オーストラリアでは「動物虐待」で逮捕されたとすると、サイコパスの疑いがあり、要注意人物をして警察に登録されちゃうことになるんです。ですから、そういった意味では、警察も頼りになる存在ではあります。
そしてまた、これが学校だった場合、学校側もきちんと対処する義務があります。それを怠って事件が起きた場合・・・例えば、いじめられていた生徒が暴行された、最悪の場合、自らの命を絶ったなど、こういう場合、当然ながら警察が介入してきて、責任の所在をはっきりとさせよとします。また、民事裁判も当然ながら起こる場合もありますから、日本のように「いじめとしての認識はなかった」なんてことは言えなくなります。
ただね、これ、オーストラリアだから、できるんです。
わかりますよ・・・日本じゃ無理と思われる方々もいらっしゃるでしょう。
日本のいじめの体質は、本当に最悪で、ネットとか、SNSは相手の顔が見れないし、匿名にもできるし、わからなきゃ、何やってもいいっていう、卑劣な国民性が浮き彫りになる温床になってると私は思います。たまに、あるニュースのコメント欄とか見ると、本当に「うわ〜、底意地の悪い、揚げ足取りの人間がわんさかいる!」って思いますしね。
とにかく!いじめに関しては、毅然とした態度でいることだと思います。
どんな形であれ、実際にいじめは犯罪という意識があるのとないのとでは全く違ってきますし、しっかりと対処することでいじめを少なくすることは可能だとおもいます。
あれから1年ちょっとが経ちましたが、あれ以来、まるっきり音沙汰がないですし、あの少年Bも18歳で成人です。どんな大人になるんだろう。。。。
苦い思い出だったろうけど、あれに懲りて人様を傷つけるような大人にはならないことを願います。
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