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SAKURA

2000年から国際結婚オーストラリア在住。シドニー某大学の修士課程卒業。『海外在住引きこもり主婦』のアーティスト兼ブロガー。専門は銅版画ですが油絵もやります。オーストラリアの生活事情や文化などを中心に書いてます。 詳しいプロフィールはこちらから↓



麻酔医なしの無痛分娩はなぜ危険?きちんとした知識を持とう!

麻酔医なしの無痛分娩はなぜ危険なのか?きちんとした知識を持とう!

今日のYahooニュースで見た記事にものもごくびっくりしました・・・・。その記事は、日本の大学でロシア語を教えていたエブセエバ・エレナさん(41)が、2012年に夫の日本人男性との間に授かった第1子である長女を京都府京田辺市にある診療所で無痛分娩で出産する際、事故にあったというもの。そのエブセエバさんのお母さんが手記を寄せたものを記事にしていました。エブセエバさんは、無痛分娩の麻酔を受けた後、昏睡状態に陥ってから6年目、そして、その時に生まれた子供も寝たきりで、自発呼吸はなく、人工呼吸器につながれているそうです。

日本では、出産の半数が診療所で行われているそうで、医師が1人しかいない診療所でも無痛分娩を行うことができるという・・・そして、事故のほとんどが産院や診療所であるという・・・・。

これ、マジで信じられない!

これ、おかしいです。私もオーストラリアで息子二人を無痛分娩で産んでいる経験から、この日本の無痛分娩の制度のどこがおかしいのかをきちんと検証したいと思います!これね、絶対に、おかしいです!

無痛分娩には訓練された麻酔医がやるべき

私は、息子二人を無痛分娩で産んでいます。一人目は経腟分娩ですが無痛です。二人目は胎児がデカくて計画帝王切開で出産しています(案の定、予定日よりも2週間早いのに、3.7キロありました)。当然のことながら、無痛分娩の多いオーストラリアでは、無痛分娩の時はきちんとした資格のある麻酔医、特に硬膜外麻酔(脊髄に打つ、無痛分娩用の麻酔)にはきちんとしたトレーニングが必要で、麻酔医だからと言って誰でもできるわけではないのです。

無痛分娩が普及している、海外の先進国では、無痛分娩の出産は大病院で、産婦人科医、小児科医、がそろっていて、麻酔の施術は必ず、麻酔科医がするのが義務付けられています。ですから、麻酔医、それも硬膜外麻酔の資格や訓練もしていない一般の医者や産婦人科医、設備のない助産院や診療所で行うこと自体が間違っているんですよ。そして、日本国内で行われた無痛分娩の半数以上が診療所での例だといいます。

これは、どう考えてもおかしいでしょう・・・???。

医療現場の人間だったら、日本だろうと何だろうと、なんでこれはおかしいと思わないんでしょうか?麻酔という薬品に対して、もともとアレルギーのある人もいますし、それによって、この冒頭にあげたロシア人の方のように昏睡状態になる場合だってあるわけです。それを診療所や産院で対処なんてできませんよ!もともと、事故が起こる可能性だって考えなくちゃいけないんだから、「うん、できますよ」なんて、安請け合いするもんでもないはずなんです。

日本の産科、産婦人科は先進国の中で遅れている

こう言うとものすごく反発する人がいるかもしれませんが、正直に言わせてもらえば、日本の産科、産婦人科は先進国の中で一番遅れていると思います。だいたい、「腹を痛めて産んだからこそ愛情がある」とか、「腹を痛めて産んだからこそ親になれる」とか、バカじゃないのかと思う。

じゃあ、欧米の無痛分娩をやった人たちはみんな親として失格なのか?私は、親として子供に愛情が足りないと言うんですか?じゃ、日本の虐待している親たちはなんなんですか?

全くもって、時代錯誤も甚だしいし、そんな馬鹿げた非科学的なこと言っているから、こんな事故が起きるんですよ!ああ、だんだんと腹が立ってきた・・・。これはね、日本の医療のずさんさと日本医師会の怠慢の何物でもないですよ。だいたい、日本医師会の上に立っている人間が古くて、さっさと引退するべきで、もっと有能な海外での最新技術と知識を備えた人がやるべきなんですよ。それなのに、製薬会社の接待なんかを受けてるような「金の亡者」がやっているから日本の医療はまだまだ欧米から遅れている部分もあるんですよ。

とは言うものの、大学病院に行けば、それなりに頑張ってるお医者さんがたくさんいて、お金があるから、設備はいいでしょうよ。でも、それじゃ、日本全体の医療は良くならないし、こういう馬鹿げた事故だって起こるし、今だに「腹を痛めて産んだからこそ」なんてことが言えるんですよ。

安全な出産は、医師の技術水準に負うところが大きいものです。私が数年前まで医師として働いていたロシアでは、医師の資格は5年ごとの更新制でした。医学部を卒業して1年間のインターンを終了すると、医療機関で5年間仕事ができる資格を得られます。この資格を更新するには、約1か月間、実践的な臨床にかかわる問題や理論に関する講習を受け、試験を受けて合格する必要があります。医師として働くためには全員がこの講習を定期的に受けねばならない仕組みで、通常ありえない問題が起こらないようにしているのです。日本でも、世界各国の医師の養成や研修制度を調べて分析し、日本に最適な制度を考えるとよいと思います。

参照:エブセエバ・エレナさんの母親の手記から抜粋;読売新聞(ヨミドクター)

欧米の資料による無痛分娩のリスク

無痛分娩でのリスクや副作用、事故などを説明しているサイトを見つけたので、ご紹介したいと思います。まず、一般的なものは薬による頭痛や吐き気を催す場合があるそうです。が、それ以外の深刻なものに:

あまり一般的でない副作用として、頻繁に起こる重度の頭痛を引き起こす可能性のある脊髄の硬膜への偶発的な穿刺、または脊髄被覆が100人に一人の割合で起きているそうです。また、硬膜外麻酔を受けた場所の感覚の衰弱および感覚喪失を経験した人は、1万人中4〜18人で、通常3か月間解決するとしています。

そして、より深刻で、稀な副作用には永久的な神経損傷が含まれます。下半身痙攣、および心臓、そして呼吸困難が、2万人に1人、そして、この無痛分娩の硬膜外麻酔に起因する死亡が 20万人に1人の割合です。そして、アヘン剤を使用する場合については、呼吸困難を経験することがあり、これは6〜12時間後に起こります。

参照:Epidurals: Real Risks for Mother and Baby by Dr Sarah Buckley

まとめ

私の場合、無痛分娩にしたのはお産が長すぎたから。とにかく、でかくて出なかった・・・陣痛が3日間も続いたんですよ。本当ならば、帝王切開でも良かったんですが、多分、医者が空いてなかったんだと思う。たまにあるんですよ、公共の病院で出産するとね、手術する医者の手が空いてないとかって。ですから、できるだけプライベートで出産することをお勧めしますが・・・・。で、あのまま麻酔なしで行ったら、たぶんかなりやばいことになっていたと思うんですよね。

ですから、無痛分娩だって、きちんとした施設、きちんと硬膜外麻酔(脊髄に打つ、無痛分娩用の麻酔)の訓練をした麻酔医、小児科医のいるきちんとした病院ですれば事故は稀になるはずなんですよ、欧米のように。けれども、やはりリスクは伴うし、それは自然分娩だって同じことですよね。

上記にも書いてありますが、海外での無痛分娩で死亡する割合は20万人に一人の割合です。そして、このニュースにあったロシア人の女性の下半身痙攣、および心臓、そして呼吸困難のケースが2万人に1人です、欧米では。